【完】結婚からはじまる恋《１》

ー頼sideー

｢あの子…いつも頑張ってるね…」



｢あの子？」


晃（ｱｷﾗ）がエレベーターに乗り込みながら、呟く。



｢あの子って…どこの誰だ？」



「さっき…フロア掃除してた若い女の子」


「あぁ…清掃員か・・・お前の好みなのか？」



｢挨拶くらいしてやれよ…お前」



「はぁ？たかが…ウチのオフィスに出入りしてる清掃会社のバイトだろ？何で俺がそんなヤツに挨拶しなきゃならない」



「おいおい…いつも綺麗な環境で仕事できるのはあの子たちのおかげだろ？」



｢…別にお前が挨拶してんだ。いいだろ？」