【完】結婚からはじまる恋《1》
社長は急に咳き込み始めた。



「だ、大丈夫ですか?」


「…あ…ゴホゴホッ…」



咳の止まらない社長の背中を必死に摩る。



そして、咳が止まるのを見計らい、サイドテーブルに置いてあった水差しの水をゆっくりと喉に通した。



「すまない・・・」



「いえ…」




「…君の身辺を調べたら…随分と苦労してるらしいじゃないか」



「…別に苦労なんて…」


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