【完】結婚からはじまる恋《1》
「じぃちゃん…俺…深幸さんと結婚します」
「頼…?」
「…じぃちゃんの初恋の人の孫らしいけど俺にはそんなコト関係ない」
「・・・」
俺は隣に立つ深幸の肩を抱いた。
「ひやっ!?」
人に肩を触れるとくすぐったくなる深幸は突然、変な声を発する。
「よ、頼さんっ!?」
俺はすぐさま、肩から手を離して引っ込めた。
緊張して顔が強張っていた深幸の緊張の糸を解してやりたかった。
深幸にも俺の真意が伝わったのかそれ以上、咎めなかった。