【完】結婚からはじまる恋《1》
滝口さんに案内された場所は副社長室。



「入るよ!!」



滝口さんは気軽に大きな重厚な扉を開いた。



「!?」



頼さんが電話の受話器を肩で挟み込み、英語で話している。



器用に右手にペンを持ちメモに走り書き。




仕事をしている頼さんに胸が高鳴った。



「…来たか…」



頼さんは電話の受話器を元に戻して、革張りの椅子から腰を上げた。



「…コーヒーでいい?深幸ちゃん」



「いえ、私は…」



「君は未来の社長夫人だ…秘書である俺を自由に使っていいんだよ」


未来の社長夫人ってーーー・・・!?



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