【完】結婚からはじまる恋《1》
滝口さんは給湯室の中に消えていく。



「…深幸」




頼さんが私の名前を呼び捨てる。


肩がビクッと震えて、鼓膜の耳奥まで擽った。



「…な、なな、何ですか?」



「…君に謝らなくてはいけない」



「!?」



「…色々と事情があって…秘書の一人にうっかりと君との結婚を言ってしまった」




「うっかりじゃあねぇだろ?頼」



滝口さんがトレーにコーヒーを乗せて、戻ってきた。


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