ハロー、バイバイ!
憂鬱と平穏
すぐ戻ると言ったのに、ヒカルは美紗が起きているうちに帰ってこなかった。
何時に、帰って来たのか分からない。
美紗が翌朝9時に起きると、玄関の三和土にヒカルのコンバースのスニーカーが置いてあり、彼の部屋のドアは固く閉ざされていた。
リビングに行くと、昨夜、ラグの上に放置したはずのピンクのパンティは消えていた。
次の土曜日。
和食店の仕切られた個室でランチをしながら、美紗が『パンティ事件』の話をすると、誠は目を丸くして驚きながらも、なんだか嬉しそうだった。
(やーね…誠ってエッチなんだから…)
少し呆れて、美紗は金目鯛のシャブシャブ鍋をつついた。
この店は、魚が新鮮でボリュームがあった。
おまけに値段も割りにリーズナブルなので二人のお気に入りだった。
土鍋に入れた金目鯛の頭から旨味が出て、感動的に出汁が美味しかった。
後でこれに白飯と卵を入れて、雑炊にする。
誠は食べ歩きが大好きで、人から聞いたり、ネットで良さげな店を探し出したりしては美紗をいろんなところへ連れていってくれた。
誠と付き合いだしてから、美紗はあっという間に4キロも肥ってしまった。
制服のスカートもピチピチだ。