ハロー、バイバイ!
「お待たせー。はいこれ。どう?」
トイレの個室から出てきた亜美は、笑顔で検査薬のスティックを美紗に寄越してきた。
亜美の尿がかかったかと思うと、気持ち悪かったが、拒否することも出来ず受け取った。
既に検査結果を示す場所には、青いラインがうっすらと見えていた。
「…陰性よ」
えっマジ?良かったあ!と亜美は叫んだ。
「亜美、生理不順だから、多分、ないだろうと思ってたけど、はっきりして良かった!
お姉さん、ありがとう!亜美、頑張ってヒカルのこと吹っ切るから!」
亜美は、晴れ晴れとした笑顔を見せた。
これで、ヒカルは完全に亜美と無関係だ
。
美紗も、ホッと胸を撫で下ろした。
「これで勉強に専念出来るね。
頑張って、いい看護師さんになるのよ。」
美紗が言うと、
「はあい。ジョウシ短期大学看護科一年、、関根亜美、頑張りまあす!
今日はご教授頂き、本当にありがとうございました!」
亜美は淀みなく言った後、足を揃え、ぴょこんと美紗に向かってお辞儀をした。
亜美が、ご教授、などと言ったので、美紗はびっくりした。
「さあて。これから仕事だし。
稼ぐぞー!」
亜美は右腕を曲げ、ひょうきんに力こぶを作る仕草をした。