俺が教えてやるよー俺だけを見てろー

「分った、それ試してみるよ」

言うと彼はニヤッと笑い「契約成立」と言い近づいてきた。

「え、ちょっ、何?」

唇が耳の横に来て髪の毛が頬にあたってくすぐったい。


「九条陸だ。覚えておけよ唯菜」

んなっ!呼び捨て!?

チュッ――――
ん?チュッ?今なんか音しなかった?頬になんか一瞬くっついた気がするんですけど……。

まさか、ね……?

「クククッ、唯菜頬にキスしただけなのに固まるとか初々しいな」

ほへ?キス?……えぇ!!

「キス!?は、え、ちょっ何してんのよ!」

何て事してくれたんだ!って言っても頬なんだけどね。でも、それでもなんでキスなんかするの!?


「ひどくね、キスなんかって」

え、なんであたしが思ってること分るの?


「口に出してるからだよ、馬鹿かお前は」

「んじゃ、帰るから」

え、ちょっ、待ってよ!

もう彼はドアの向こうに消えていた。

♪~~♪~~♪

もう、誰よ!

「もしもし」

「あ、唯菜?大丈夫?今からそっち向かうね!」

待てい亜夜菜凄い一方的に話してるけど場所分かってんの?

「場所どこだか分かってんの?」










< 11 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop