俺が教えてやるよー俺だけを見てろー
「分った、それ試してみるよ」
言うと彼はニヤッと笑い「契約成立」と言い近づいてきた。
「え、ちょっ、何?」
唇が耳の横に来て髪の毛が頬にあたってくすぐったい。
「九条陸だ。覚えておけよ唯菜」
んなっ!呼び捨て!?
チュッ――――
ん?チュッ?今なんか音しなかった?頬になんか一瞬くっついた気がするんですけど……。
まさか、ね……?
「クククッ、唯菜頬にキスしただけなのに固まるとか初々しいな」
ほへ?キス?……えぇ!!
「キス!?は、え、ちょっ何してんのよ!」
何て事してくれたんだ!って言っても頬なんだけどね。でも、それでもなんでキスなんかするの!?
「ひどくね、キスなんかって」
え、なんであたしが思ってること分るの?
「口に出してるからだよ、馬鹿かお前は」
「んじゃ、帰るから」
え、ちょっ、待ってよ!
もう彼はドアの向こうに消えていた。
♪~~♪~~♪
もう、誰よ!
「もしもし」
「あ、唯菜?大丈夫?今からそっち向かうね!」
待てい亜夜菜凄い一方的に話してるけど場所分かってんの?
「場所どこだか分かってんの?」