俺が教えてやるよー俺だけを見てろー
はぁ~と、ため息をつきながらしゃがみ込む男の子。
え、何か可笑しなこと言った?
「そうだった、こいつ馬鹿だったんだ」
さっきから、人のこと馬鹿馬鹿言いすぎじゃないの?学校ではそれなりに良い方なんですけど!
「唯、昨日のこと忘れたとかないだろ?」
「あたし、唯じゃないんですけど」
あたしは、唯菜!何ですけど。
「良いの、俺が唯って呼びたいんだから。それより、お前昨日のこと覚えてんのか?」
昨日?昨日何かあったっけ?
えーと昨日は……学校でまたまたリア充を見て吐き気がしてトイレに行って亜夜菜がタオル持ってきてくれてそのあとまだ、気分が優れないか屋上に行って風にあたってたときに授業サボってたカップルがキス時てるところを見ちゃってまた気分悪くなった時に一人の男の子が来て倒れかけたところを助けてくれて、えーっと、そのあと目が覚めたら保健室にいて助けてくれた男の子と変な契約的なことしたんだっけ。
確か男の子の名前は……
「九条陸」
「そう!それ!……って、あ、あんたが九条陸だ!」
目の前にいた男の子を指さす。
「人に指差すな。……やっと、思い出したか」
「うん、思い出したけど何であんたがいるの?あたしの友達来なかった?」
「唯ん家に来る前に寄って来た。これからは、俺が唯と行くからって」