ペテン死のオーケストラ
マルメロは部屋に入り、泣きました。
声をおさえて涙を流しました。

悔しくて、辛くて、恥ずかしくて…、色々な感情がごちゃまぜになり押し寄せてきます。

「最悪だわ!全てが最悪!」

マルメロは泣き続けます。

「何故、あそこまで言われないといけないの?」

「私の何が悪いっていうのよ!」

「どいつもこいつも、私を馬鹿にして!」

マルメロは悲しみが怒りへと変わっていきます。

バッと立ち上がり、紙を取り出しました。

①誰も信じるな

②自分の力でのし上がれ

③涙は二度と流すな

マルメロは、三つを殴り書きします。
そして、ジッと紙を睨みつけ小さな声で何度も読み返します。

マルメロは決意しました。

「私が誰よりも優れていると証明してやる」

自分に言い聞かせたマルメロの瞳はギラギラと鈍く光っています。

マルメロは、すぐに鏡を取り出し顔を見ました。

涙によって、炭はとれ素顔のマルメロがいます。

自分の素顔をみてマルメロは、片方の口角だけを上げ笑いました。

「やってやるわ!何がなんでも!」

なぜだか分かりませんが、腹の底から笑いが込み上げてきます。

こんなに愉快だと感じたのは久々です。

今まで自分を殺して生きてきたシガラミから解放された喜びを、マルメロは感じていたのです。
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