ペテン死のオーケストラ
しかし、マートルは文句一つ言わずに動き回りました。

「この子を産んだら、きっと幸せになれる!」

マートルは信じていたのです。
子供が産まれれば、ジキタリスも親としての自覚が芽生えると。

「この子は希望よ」

マートルはお腹を撫で微笑みました。



しかし、些細な事でマートルの妊娠が家族にばれてしまうのです。

マートルは、ひどい悪阻と戦っていました。

家族の前で気持ち悪くなってしまったのです。

我慢ができなかったマートルを見て、母親が気づきました。


「マートル…、妊娠してるわね?」


母親の言葉にマートルも、家族も固まります。
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