ペテン死のオーケストラ

見えない絆

ある日突然、マルメロの部屋に大勢の城の人々が押し寄せてきました。


「犯罪を増やしたな!」


人々はマルメロを罵ります。

マルメロには意味が分かりません。

「何の事ですか?」

「とぼけるな!マルメロ、お前は犯罪者だ!」

「私は犯罪者ではありません。何を言っているのですか?」


すると、後ろからストケシアが押し出されました。

顔を殴られたのか、酷く腫れ血が滲んでいます。

そんなストケシアを見て、マルメロは動揺します。

「なんて事!?ストケシアに何をしたの!?」

マルメロはストケシアに駆け寄り抱き抱えました。

人々はマルメロに言います。

「マルメロとの共犯者だ!当然だろう!」


ストケシアは、意識が朦朧としているのか動けません。
マルメロは、人々を睨みつけ叫びます。

「証拠でもあるの!?ストケシアは何もしていない!あなた達が犯罪者よ!無実の人間に、こんな酷い暴力をふるうなんて!」

「無実じゃない!ストケシアは、犯罪者だ!マルメロ、お前は逃げようとしたな!?」


マルメロは、ハッとします。
ハンノキが言っていた買収の話しを思い出したからです。

しかし、マルメロは言います。

「いいえ!私は逃げも隠れもしません!今だって、ここにいます!でたらめな事を言わないで下さい!」


すると、一人の男が言います。

「じゃあ、この大金は何だ?ストケシアが持てるような金じゃないぞ」

男の手には札束が握られていました。

「この金で、俺を買収しようとしてきた!俺が証人だ!」

マルメロは、言葉が出ません。
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