ペテン死のオーケストラ
マルメロの予想通り、サイネリアが訪れました。
泣きつかれた様子で、先ほどまでの勢いが全くありません。
サイネリアはマルメロの近くの椅子に腰掛けます。
マルメロも、特に何も言いません。
サイネリアは、ボーッと一点を見つめるだけ。
マルメロは、ため息が出ました。
「サイネリア、何か用があって来たのじゃないの?ただ、椅子に座ってるんなら帰ってちょうだい」
マルメロの、この言葉にサイネリアはシクシクと泣きはじめたのです。
マルメロは頭が痛くなりました。
「ねぇ、サイネリア。前にも言ったけど泣いても解決しないのよ?何故、そんなに泣くの?」
サイネリアは静かに泣きながら答えます。
「悲しいからよ…。マルメロこそ、何故泣かないの?マルメロが泣いたところを見たことがない」
「言ってるでしょう。泣いても意味がない。母の教えよ。私は、幼い頃に泣かないと決めたの。だから、サイネリアが何故それほど泣けるのか不思議なのよ」
「マルメロは普通じゃないわ。明日、マルメロは死刑と言われたのよ。何故、そんなにも普通でいられるの?」
「死ぬことが嫌ではないからよ。私は精一杯生きたわ」
この言葉に、サイネリアは更に泣きはじめてしまいます。
「マルメロ、やめてよ!そんな悲しい事を言わないで…。まだ、諦めないで!」
「サイネリア、一つ聞いても良い?」
「…、何よ?」
「私に謝罪を要求したわよね。一体、何を謝罪すれば良いの?」
サイネリアは驚いた表情です。
「そんなの簡単じゃない!自分の非を認め謝ればいいのよ。マルメロは、王に毒を盛ったことを謝罪すれば良いの。そしたら、死罪ではなくなる!私も一緒に謝ってあげるから!」
マルメロは、余計に訳が分からなくなります。
サイネリアは嘘を言ってる雰囲気ではありません。
毒を盛ったのがマルメロだと言ってきます。
「自分に非が見つからないのに、謝れって事?」
マルメロは伺うように聞きました。
サイネリアは、更に驚き言います。
「マルメロ、何言ってるの!?王に毒を盛るだなんて大罪よ?」
マルメロは確信しました。
確信すると、焦りと不安感を感じます。
「ねぇ、サイネリア。ストケシアの具合はどうなの?」
「何よ、急に…。今はストケシアなんて、どうでも良いでしょう」
「酷い怪我だったから、心配なのよ」
「マルメロの考えが分からないわ。ストケシアなら大丈夫よ。ただ、舌が切れてて上手く喋れないの。可哀相だけど…」
マルメロは、やっと安心感を得ます。
そして、疑問が1つ減りました。
「そう…。可哀相ね。サイネリアが面倒を見てあげてね」
「嫌な言い方…。マルメロも一緒によ。ねぇ、謝罪をする気になった?」
マルメロは、もう1つの疑問をぶつけます。
泣きつかれた様子で、先ほどまでの勢いが全くありません。
サイネリアはマルメロの近くの椅子に腰掛けます。
マルメロも、特に何も言いません。
サイネリアは、ボーッと一点を見つめるだけ。
マルメロは、ため息が出ました。
「サイネリア、何か用があって来たのじゃないの?ただ、椅子に座ってるんなら帰ってちょうだい」
マルメロの、この言葉にサイネリアはシクシクと泣きはじめたのです。
マルメロは頭が痛くなりました。
「ねぇ、サイネリア。前にも言ったけど泣いても解決しないのよ?何故、そんなに泣くの?」
サイネリアは静かに泣きながら答えます。
「悲しいからよ…。マルメロこそ、何故泣かないの?マルメロが泣いたところを見たことがない」
「言ってるでしょう。泣いても意味がない。母の教えよ。私は、幼い頃に泣かないと決めたの。だから、サイネリアが何故それほど泣けるのか不思議なのよ」
「マルメロは普通じゃないわ。明日、マルメロは死刑と言われたのよ。何故、そんなにも普通でいられるの?」
「死ぬことが嫌ではないからよ。私は精一杯生きたわ」
この言葉に、サイネリアは更に泣きはじめてしまいます。
「マルメロ、やめてよ!そんな悲しい事を言わないで…。まだ、諦めないで!」
「サイネリア、一つ聞いても良い?」
「…、何よ?」
「私に謝罪を要求したわよね。一体、何を謝罪すれば良いの?」
サイネリアは驚いた表情です。
「そんなの簡単じゃない!自分の非を認め謝ればいいのよ。マルメロは、王に毒を盛ったことを謝罪すれば良いの。そしたら、死罪ではなくなる!私も一緒に謝ってあげるから!」
マルメロは、余計に訳が分からなくなります。
サイネリアは嘘を言ってる雰囲気ではありません。
毒を盛ったのがマルメロだと言ってきます。
「自分に非が見つからないのに、謝れって事?」
マルメロは伺うように聞きました。
サイネリアは、更に驚き言います。
「マルメロ、何言ってるの!?王に毒を盛るだなんて大罪よ?」
マルメロは確信しました。
確信すると、焦りと不安感を感じます。
「ねぇ、サイネリア。ストケシアの具合はどうなの?」
「何よ、急に…。今はストケシアなんて、どうでも良いでしょう」
「酷い怪我だったから、心配なのよ」
「マルメロの考えが分からないわ。ストケシアなら大丈夫よ。ただ、舌が切れてて上手く喋れないの。可哀相だけど…」
マルメロは、やっと安心感を得ます。
そして、疑問が1つ減りました。
「そう…。可哀相ね。サイネリアが面倒を見てあげてね」
「嫌な言い方…。マルメロも一緒によ。ねぇ、謝罪をする気になった?」
マルメロは、もう1つの疑問をぶつけます。