ペテン死のオーケストラ
「マルメロ!久しぶりね!!さぁ、早くこっちに来て!」

サイネリアの弾むような声がします。

マルメロがサイネリアの家に訪れたのです。

暖かい日差しが気持ちが良い日を選びました。
サイネリアの気持ちを和らげるためです。
マルメロはサイネリアから何か面白い情報を聞きだそうと考えていたのです。

そんな事も知らずにサイネリアはマルメロが来てくれた事に大喜びです。

「あぁ、マルメロ!忙しいのに、わざわざありがとう。とても、嬉しいわ!今日は、天気が良いしお庭でお茶でもしましょうよ!」

「良いわね。気持ち良さそうだわ。そういえば、赤ちゃんは?」

「今日はお医者様にアザレアが連れて行ってるのよ。直に帰ってくるわ」

マルメロは「私に神は微笑んでおいでね」と思いました。
邪魔者がいなくて、ゆっくりと話せると考えたのです。

庭に出た二人は、椅子に座りました。
穏やかな雰囲気の中、二人は会話を楽しみます。

サイネリアが嬉しそうに話し始めました。

「マルメロ、本当にありがとう!こんなに楽しい気持ちになるのは久々よ。子育てばかりの毎日に正直、嫌気がさしていたのよ」

「サイネリア、私も楽しいわ。毎日、つまらないのよね。堅苦しい事ばっかりよ」

「そうなのよ!ふふ、やっぱり私達って似た者同士なのね!とても気が合うんだもの。こうして話していると、初めて会った日を思い出すわ」

マルメロは嫌な過去を思い出しました。
しかし、冷静に答えます%
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