ペテン死のオーケストラ
克服してからのマルメロは見違えるように自信満々に歩きました。

いつも笑顔で、大きな声で話し、一人ぼっちでも楽しそうなマルメロに周囲は驚きました。

悪口を言っていた人達も、マルメロに話しかけにくくなります。

マルメロは、悪口が少なくなった事を嬉しく思います。

「やっぱり!容姿を綺麗にしたら悪口が減ったわ。まだ、完全とは言えないけど、私が完全に綺麗になれば誰も何も言わなくなる!」

マルメロは笑いました。

しかし、不思議なことが一つありました。

今までマルメロに優しくしてくれてた人達が離れていくのです。
しかも、悪口まで言ってきます。

「マルメロ、何か変わったね」

「前のマルメロの方が好きだった」

「目に炭を塗ってるなんて変だよ」

マルメロは、少し傷つきます。
優しくしてくれてた人達に褒めてほしいと思っていたからです。

しかし、理想と現実は違いすぎました。

悪口は減ったものの、誰からも優しい声をかけてもらえなくなったのです。

マルメロは、ため息ばかり出るようになりました。

「まだ、悪いところがあるっていうの?」

一人で、小さくつぶやき悲しくなりました。
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