Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
今日の話はそこまでだった。
ロイは、「もう遅い。出発は明日だ」そう言って部屋の明かりを消した。
彼は三年前に弟と何があったというのだろう?
亡くなった妹さんと何か関係があるのだろうか?
ミシェルのそんなに似ていたのだろうか?
ジルはミシェルの布団を整えてやり、そのすぐ側に蹲った。
とんだ事態にまた首を突っ込んでしまったのかもしれない。
しかし、街の人々を恐怖に陥れている盗賊団を放っておく訳にはいかない。
黙って見過ごす訳にはいかない。
その気持ちは確かだった。
明日からまたどんな状況になるか分からない。
少しでも身体を休めておかなければ。
そう思い、硬い床の上でジルは目を閉じた。