Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
STAGE 7
翌日、ジルたちはロイの案内でその盗賊団のアジトへと向かった。
自分たちが行くことを相手に悟られないようにしたい。
遠回りになるが、なるべくバレない道を選ぶ。
ロイはそう言った。
ただ、少々危ない道ではあるが。と付け足したのだが。
ミシェルを小屋に一人おいて行く訳にはいかず、ジルは早朝にミシェルをシェリーの宿屋に預けた。
目を覚ましたミシェルは相当怯えているようだった。
また離れることになると分かったとき、ジルにしがみついてワンワンと泣いた。
そんなミシェルを宥め、シェリーに託すと彼女は快く了解してくれた。
「あまり無理しないでくださいね」
心配そうに言った彼女の顔が脳裏に甦る。
そうしてジルが小屋に戻るのを待って、三人は出発した。