Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
数時間後、三人は森へ入っていた。
おそらくこの森はバルバロッサの森の端っこ。
獣道のようなところを、草木を切り分けながら進んでいく。
昨晩降った雨のせいで、踏みしめる足元はぬかるみ、歩きにくくてしょうがない。
気を抜けば滑ってしまいそうだ。
また、植物も湿っていて、それが脚や腕にまとわりついてくる。
なかなか先へ進めない理由の一つだった。
そんな道中でジルはロイに盗賊団のことを尋ねてしまっていた。
あんたの言うとおりしょうもない話だ。
まぁ、退屈しのぎにはなるかもしれねぇな。
そう言ってロイは話し始めた。