Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
部屋の中はお世辞にも綺麗に整頓されているとは言い難かった。
あちこちに道具と思われる物が乱雑に置かれ、衣服や布が無造作に壁に掛けられている。
床には食糧と思しき物も転がっていた。
いったい何人の者がここで生活をしているのだろう?
そして建物内は無人ではなかった。
途中、廊下や部屋の空間で盗賊団の一員と思われる若い男と擦れ違う。
中には気の強そうな少女の姿もあった。
彼らたちは一様にみな不信な表情を浮かべ、見慣れない来訪者たちに一瞥をくれていた。
この中にはロイの顔を知っている者もいるのだろうか…。
四方八方から注視されているような気がして、ジルは居心地の悪さを感じ、歩を急かした。
そこから幾つか部屋を通り過ぎた後、広い空間の真ん中に大きな無垢のテーブルが佇み、その周囲を木枠で作られただけの手作りの椅子や切り株の腰掛けが囲む、食堂か会議室と思われる部屋でジャンは足を止めて振り返った。
彼の背には今まで何度が通ってきた引き戸ではなく、観音開きの立派な框組の扉があった。
恐らくそこがこの建物の一番深いところ。
頭領のニックがいると思われる場所だ。
あちこちに道具と思われる物が乱雑に置かれ、衣服や布が無造作に壁に掛けられている。
床には食糧と思しき物も転がっていた。
いったい何人の者がここで生活をしているのだろう?
そして建物内は無人ではなかった。
途中、廊下や部屋の空間で盗賊団の一員と思われる若い男と擦れ違う。
中には気の強そうな少女の姿もあった。
彼らたちは一様にみな不信な表情を浮かべ、見慣れない来訪者たちに一瞥をくれていた。
この中にはロイの顔を知っている者もいるのだろうか…。
四方八方から注視されているような気がして、ジルは居心地の悪さを感じ、歩を急かした。
そこから幾つか部屋を通り過ぎた後、広い空間の真ん中に大きな無垢のテーブルが佇み、その周囲を木枠で作られただけの手作りの椅子や切り株の腰掛けが囲む、食堂か会議室と思われる部屋でジャンは足を止めて振り返った。
彼の背には今まで何度が通ってきた引き戸ではなく、観音開きの立派な框組の扉があった。
恐らくそこがこの建物の一番深いところ。
頭領のニックがいると思われる場所だ。