Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
STAGE 11
翌日の朝、ジルは出発の準備を整えていた。
左足はまだ痛む。
早く治療したほうがいい、周りからそう提案され、心残りではあるがジルとローグはグランドヒールへ一度帰ることにしたのだ。
昨日の晩、ロイはあの後、ニックとジャンと遅くまで話していたようだ。
身内の内部の話にまで首を突っ込むことは控えようと、自分たちはその場を離れた。
盗賊団として、これからのこと、よう話し合っていい方向に向かってくれればと思う。
支度を終え、ローグと家屋の外へ出ると、ロイを見つけ、ジルはロイに近寄った。
「ロイ…」
「あぁ、あんたか。もう行くんだってな」
「えぇ。でも、また様子を見に来てもいいでしょ?」
「あぁ、もちろんだ。今回は世話になったな。ありがとう」
そう言ってロイは右手を差し出してきた。
ジルもそれをしっかりと握り握手した。
すぐ側まで寄ってきたローグともガッチリと手を握り合う。