Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~

ジャンの案内によって一行は森の中を進んだ。

来た道と違い、今度は最短ルートでグランドヒールに向かっている。

左足負傷の中では決して楽な道ではなかったが、それは女性三人にとっても同じことのようだ。

適度に休憩を入れながら、少しずつ街へと前進した。

この調子で行けば、夕刻にはグランドヒールに着けるだろう。
そうジャンが言った。


道中、ジルは彼女たちに話を聞いていた。

どうして盗賊団に協力をしていたのか、心中を確認したかったからだ。

ローグの予想通り、怯えて逆らえなかったのが始まりだが、中にはそのまま盗賊のアジトに残りたいと思った者もいた。

ザックの妹もその一人だった。

彼女の名はケイトと言った。

昨日、食事を届けてくれた女性である。

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