Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
兄弟というのはとても難しい。

とても近くて分かり合えている、そう思っていても何も分かっていなかったり、またその逆だったり。

近すぎる分、言いにくいことや、相談しにくいこと、恥ずかしいこと。

同じ環境で育った中で起こる考え方の違い。

そして競争心、反発心…。

だが、強い絆で繋がれているのもまた兄弟なのかもしれない。

ロイとニック、ザックとケイト。
二組ともこれから兄弟として話し合い、助け合い、その絆を深めていけてらどんなに素晴らしいことだろうか。


ジルはふと自分の胸に手を当ててみた。

自分には血の繋がった兄弟はいないが、同じ環境で育った兄弟たちは確かにいた。

ほんの短い間だったが、彼らと自分はどう接していただろう。

自分のことしか考えていなかったあの頃、毎日のようにいじめの対象になっていた。

少なからず敵対心を抱いていたのは確かだと思う。

が、今になって、どうして協力し合えなかったのかと悔やんでしまう。

彼らは今どうしているのだろうか…?

もう会うこともない兄弟たちを思い、ジルはそっと溜め息をついた。

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