Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
STAGE 2
適当な間隔で休憩を取りながら、ジルたちを乗せた馬車は森の中の一本道を進んでいった。
狭い椅子に腰掛けていると、少々腰がツラくなってくる。
休憩毎にジルは馬車から外に出て、関節が固まるのを和らげていた。
軽く体操し、深緑に包まれた空気を胸いっぱいに吸い込む。
今日はとても穏やかな天気だ。
小柄なジルでも窮屈と感じる馬車内の空間。
スラリとした足の長さを持つミシェルや男のダレンにとっては、ジルよりツラい体勢を強いられるに違いない。
ミシェルは、最初はジルと一緒に外に出てきたが、少し前から眠ってしまった。
朝も早かったことだ。
このまま寝かせておこう。
太陽はもう大分高い位置にきている。
昼食時に起こしてあげればいいだろう。
ジルはそう思いながら、先ほどと少し体勢を変えて座り直した。