Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
「おじいさんが、そのブラッドスネークに関することを、知っているかは分かりませんが」
と、シェリーは申し訳なさそうに言っていた。
「そんなこと、気にすることないわ。
ありがとう」
ジルは微笑んでシェリーに礼を言った。
手当たり次第に誰かに尋ねることを考えると、こういう情報は有り難い。
そして、ジルは何か分かったことがあったら必ず報告することを約束し、店を後にした。
少なくとも、被害者は自分たちだけではない。
ザックの妹のことも気懸りだ。
そして、ザックのことも…。
一刻も早く、情報を掴まなければ…。
ジルは荷物を背負い直すと、シェリーに渡されたアイザックの家の地図を片手に、歩き始めた。