Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
「スコットが村長から馬を調達してくれたんだ。
馬には悪かったけど、ほとんど全力疾走でここへ来た。さっき着いたとこだ。
まさか、こんなに早くジルに会えるとは思ってなかったけどな」
よく見れば、ローグの髪は乱れていて、汗のせいで首筋にべったりと貼りついている。
衣服やマントもぐっしょりだ。
よほど急いで駆けつけてくれたのだろう。
出会えない可能性の方が高かったかもしれないのに。
ジルは涙がこぼれそうになった。
そんなローグの行動が嬉しくて堪らない。
先ほどまで、自分一人で解決しなければならないと、不安と焦りと緊張で張り詰めていた。
それがどうだろうか、ローグの顔を見て安心している自分がいる。
ただ、安心したと同時にジルは自分の胸をチクリと針で刺すような痛みをも感じていた。
信頼できる大切な相棒のローグ。
そのローグの帰りを待たずに避けるようにリィズ村を発とうとしていた事実。
少し彼を自分から遠ざけようとしていた。
彼はどう思うだろうか…。
罪悪感が募っていく感じがした。
馬には悪かったけど、ほとんど全力疾走でここへ来た。さっき着いたとこだ。
まさか、こんなに早くジルに会えるとは思ってなかったけどな」
よく見れば、ローグの髪は乱れていて、汗のせいで首筋にべったりと貼りついている。
衣服やマントもぐっしょりだ。
よほど急いで駆けつけてくれたのだろう。
出会えない可能性の方が高かったかもしれないのに。
ジルは涙がこぼれそうになった。
そんなローグの行動が嬉しくて堪らない。
先ほどまで、自分一人で解決しなければならないと、不安と焦りと緊張で張り詰めていた。
それがどうだろうか、ローグの顔を見て安心している自分がいる。
ただ、安心したと同時にジルは自分の胸をチクリと針で刺すような痛みをも感じていた。
信頼できる大切な相棒のローグ。
そのローグの帰りを待たずに避けるようにリィズ村を発とうとしていた事実。
少し彼を自分から遠ざけようとしていた。
彼はどう思うだろうか…。
罪悪感が募っていく感じがした。