Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
「で、ミシェルの居場所は?
何か分かったのか?」

ローグの問いに、ジルはハッとした。

いろいろな個人的感情の思考を閉め出す。

そして、昨日からのことを掻い摘んで説明をした。


ミシェルが攫われたときの状況。

奴らが落としていった品物。

ブラッド・スネークという盗賊団。

酒場で出会ったザックのこと。

その妹も被害者だという事。

そして、ロイという人物。

最後にジルは、これからそのロイの住むところに向かおうとしていた事を言った。


黙ってジルの話を聞いていたローグは、ジルが話し終えると、「そうか」と呟いた。

「私が、もっとちゃんとしていれば、ミシェルはこんな目に遭わなくてすんだのに…」

「おい」

自分の不甲斐なさを責めるジルをローグは咎める。

だが、ジルは続けた。

「私の責任よ。そもそもミシェルを説得して、一緒に来させなければ…」

「おい、やめろったら」

ローグはやや強い口調で放つと、ジルの肩に両手を置いて自分の方へと向けさせた。

そしてジルの目線まで腰を屈める。

「ジルのせいなんかじゃない」

「だけど…」

「ジルと一緒に行かなくても、ミシェルはダレンとグランドヒールに出かける事になってた」

眼に涙を浮かべ自分自身を責め続けるジルに、ローグは諭すように言った。

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