キズだらけのぼくらは
私の心臓はバカみたいに正直に、大きく高鳴った。
だって、委員長みたいに容姿の整った人に、こんな笑顔を向けられたら、私だってドキッとする。
みんなが目を向けない私に、こんな風に笑いかけてくれるんだもん……。
でも、これだけでは終わらなかった。
「ごめんね、僕見てたんだ。羽咲さんが本郷くんの席を見つめていたのを。あまりにも真剣だったからさ。あと、関谷くんのことも……」
委員長は、廊下側にいる秀才くんを視線で指し示しながらそう言った。
「えっ……」
私らしくもなく、声が漏れる。
一体いつから見ていたの?
私はあまりの驚きから動けず、しゃがみこむ委員長の苦笑いにくぎ付けになっていた。
手のひらが冷や汗でぬれていく。
「羽咲さんも、彼らのことが気になってるの?」
委員長は私の目の前で、小首を傾げながらにこやかに問いかけてきた。