キズだらけのぼくらは
月が欠けた夜に
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【このコーディネート、どうでしょ~か~? 最近カラフルなコーデにハマっているももたんです。またファッションの勉強をして、ブログアップするから楽しみにしててくださいね!】
特に考えなくても、指先から、そんな言葉が生まれていく。
そして私は迷いもなく、公開と書かれたボタンをマウスでクリックした。
その一瞬で画面は変わり、ピンクに染まっているブログに移動すると、もう最新記事がアップされている。
そこには、鮮やかな黄色のトップスに大胆な青い花柄が描かれたショートパンツを合わせている女子の写真があった。
顔も膝から下も写ってはいない。
私は女の子らしく控え目に笑うと、椅子を回転させて立ち上がった。
引きずっている左足の爪先が、ラグの少し長い毛足の中を押し進む感覚を覚えながら、私はスタンド式の姿見の前に立つ。
鏡の中には、写真とまったく同じ、目の覚めるような黄色と大きな青い花があった。
今日もももたんブログへの投降は完了。
毎日、本当にいい仕事だ……。