キズだらけのぼくらは
運命のオフ会
――――――
――――
イスの足が床の上で引きずられる鈍い音や一斉に響きだした生徒の話声で、教室が騒がしくなる。
1日の授業を終えた後なんて、みんな堰を切ったようにこうなるんだ。
話していることは大抵、今日の放課後の寄り道先について。
ショッピングセンターに寄って新しく入ったクレープ屋に行くか、もしくはカラオケに行くかと秋穂たちが呑気に悩んでいた。
どうでもいい悩みばかり抱えていて、本当に幸せそう。
私もそんな能天気な内容で悩んでみたいよ。
ただ、秋穂のような人間には、生まれ変わってもなりたくないけどね。
でも秋穂みたいになったらなったで、人を平気で裏切る人間に仕返しするのもいいのかな。
なんて考えながら、そんなくだらない名案を私は鼻で笑い捨てる。
私は机に置かれたカバンの陰でスマホを持ち、ホーム画面を表示した。
画面のまん中あたりには日付が記されていて、今日が10月1日だということを知らせている。
あの腹立たしいメッセージを送りつけられてから、2度も眠れない夜を超えた。
私は今、オフ会を目前にしている。