キズだらけのぼくらは
権力社会
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廊下の窓際を、左足を引きずりながらゆっくり進む。
夏休みが明けて間もない学校には、髪を明るく染めた夏休み気分の抜けないヤツらもいる。
私たちはまだ高1で、初めての夏休みを終えて子供のくせに大人になったつもりでいるんだ。
また、朝だというのにテンションが高くて、「おはよ!」って言いながら笑顔で友達に飛びつく女子の姿も目についた。
仲が良さそうで結構なこと。
でも、くだらないっていつも思う。
女子同士でベタベタくっついて、仲の良さを演出している薄っぺらい関係にしか見えないから。
私にはもちろんそんな風に声をかけてくる人はいないけど、いない方が幸せだ。
いたって面倒くさいだけ。
窓際を歩く私は、わずらわしい人間から、なにも言わない外の世界へと視線を移した。
しかし、外から差しこむ夏のギラギラとした太陽は眩しく、私は毛嫌いするように目を逸らした。