キズだらけのぼくらは
~Chapter Ⅱ~
空に馳せる想い
――――――
――――
私は口も抑えずに大きな欠伸をした。
目に飛び込んでくる足元の芝生は、まだ緑色をしているけれど所々黄色っぽい。
手入れもまめにされていなくて、私の足は草に埋もれ、長さが色々な芝生はぼさぼさしている。
しぶとく頑固な雑草も入り混じって植物が密集したこの地面の上は、好き放題したい放題。
また小さな欠伸がでて、それとともにふぁ~と情けない声が漏れる。
まん中まで登ってきた太陽は温かで、余計に欠伸がでてしまう。
私の脳はよっぽど酸欠状態だったみたい。
そりゃ、酸欠にもなる。
だって、一軍に支配された教室の空気は、淀みきっているもん。
こうして外の空気を吸わないと息がつまってしまう。
「あの……、さっきはありがとう」
右側から、女の子の震えた声が聞こえる。
そっとそちらに顔を向ければ、昨日顔を合わせたばかりのソラが俯いてベンチに座っていた。