キズだらけのぼくらは
リアルの崩壊
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昨日とは打って変わって、朝日は清々しく廊下を光で満たしていた。
廊下は牛乳のようにまっ白で、どこかよそよそしい。
疎らに廊下を歩いている生徒たちはいつも通りそれぞれの教室に吸い込まれていく。
でも、私は毎日こんなにもチラチラと見られていただろうか?
肩にかけているカバンの持ち手にギュッとしがみつく。
壁に寄りかかっている男子達の前を通り過ぎる時に聞こえたせせら笑い。
リズムのいい駆け足の音が聞こえたと思ったら、私を追い越して、振り向いてまで私の顔を確認した女子グループ。
無様な左脚が、前に出ることをためらった。
こんな格好の私だから、こんな脚の私だから、いつもそんな目を向けられていたんだっけ……?
自分でも、よくわからなくなる。
それでも、冷やかな廊下で、私は脚を震わせながらなんとか前へ踏み出していく。
生徒たちのざわめきと白すぎる廊下に、胸をなんとなくざわつかせながら……。