キズだらけのぼくらは


キモイとか詐欺師とか、アイツらの攻撃なんてワンパターンだけれど、毎日やられれば気が狂いそうにもなる。

教室にいるだけで、誰かのせせら笑いが聞こえる。

虫けらでも見るかのように、軽蔑の眼差しを向けられる。

そこら中からの視線が、笑い声が、ナイフのように私を滅多刺しするの。

ぎろりと向けられる目は恐ろしくて、耳に入ってくる囁きはうるさくて、息が苦しくなるほど圧迫される。

周りは敵だらけ。

結愛や新太たちもそれぞれにイジメられていて、みんなひとりぼっち。

味方なんてひとりもいない、怖い教室。

こんなんで教室にいたって、生きた心地がすると思う?

あんなの暴力と変わらない。

私は壁に、きつく握った拳を叩きつけた。

薄っぺらな壁が難なく揺れる。

イライラしてしょうがない。

私たちをイジメるアイツらと、本郷大翔のあの言葉に。


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