キズだらけのぼくらは
無口な彼の強き意思
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俯きながら、私は廊下を歩く。
昼休みが終わるというのに重たいままのランチバッグを提げながら。
昨日あんな風に思ったのに、私は結局俯いている。
少し黒ずんでくたびれたような上履きがなんとか前へと出ているだけ。
今日だけでも、教科書を隠され、授業中に嫌味を書いた紙クズを投げられた。
こんな最低の毎日でも、いつも“明日”はやってくる。
私にあんなことをしたヤツらは、何事もなかったように秋穂のそばにいて、のうのうと生きていた。
ご飯もろくに喉に通らないわけだ。
負けたくないと願っても、どうにもできない。
どうやったら、私ひとりでアイツらに勝てるのかわからないんだ。
ううん、本当は私、心の奥の方で受け入れてしまっている。
こんなちっぽけな自分ひとりで勝つことは、100%不可能だって。