キズだらけのぼくらは
私はIDとパスワードを打ち込んでマイページにログインする。
ログインした先に表示されていた名前は、“ももたん”。
ページの上部には、新着のコメントやメッセージの知らせが出ている。
それを見るたびに、私は満足する。
勝ち誇ったような気持ちになるの、一軍の女子たちにね……。
「桃香~、そろそろお風呂入っちゃいなさーい」
すると廊下からお母さんの声が聞こえてきた。
「わかったー」
私は気のない返事をして、パソコンの画面を渋々閉じる。
机に手をついて立ち上がると、右足でしっかり床を踏み、動きの悪い左足をゆっくり前に踏み出しながら部屋を出た。
脱衣所に行くと、なんの飾り気もない黒いTシャツや白っぽくなってしまったジーンズ、下着を次々と脱いで、洗濯カゴに投げ入れる。
そしてお風呂場に足を踏み入れると、真正面にある鏡に私が映っていた。