キズだらけのぼくらは
冷たい涙
――――――
――――
乾いていたアスファルトが、ぽつりぽつりと水玉模様になっていく。
私は歩みを止めて空を仰いだ。
今日の昼間、新太たちと一緒に見たまっ白な空は、重く迫りくるような灰色へと変わっていた。
頬には雫がひとつふたつと当たる。
「雨……か……」
私は雨の雫を落とす空を、バカみたいに見上げたまま歩道のどまん中に立っていた。
誰もいない帰り道。
周りには家が立ち並んでいたけれど、こんな模様の悪いときに出歩いている人なんて誰もいなかった。
頬を濡らす雨は冷たくて、私はそっと雨を拭う。
濡れた指先を見ながら、まるで私が泣いたみたいでイヤだなと微かに苦笑いした。
本当に泣きたいのは、新太だろうに……。
私は新太のように、まだなんの勇気も振り絞れていないのに……。
さっきから、今日のことを思い出しては、こんなことばかり考えてしまう。