キズだらけのぼくらは
その度に、自分の弱さを思い知って、イヤになる……。
瞬く間に雨は強くなってきて、激しく地面に打ちつけた。
バケツをひっくり返したような雨は轟音をたて、私の身を刺していく。
頬にあたる雨の矢が痛い。
その痛さに私は目を閉じて、唇をきつく噛み締める。
いつもこうやって、目を背けようとしてきたのかもしれない。
イヤなことから、辛いことから逃げて、他人のことも自分のことも傍観者でいようとしたの。
正面から自分の想いをぶつけたことなんてなかった。
日常をうまくやり過ごすことの方が大事で、こんな格好をして自分を消した。
でも、それがいけなかったんだろうな。
今なら、少しわかるんだ。
私は眉根を寄せながら目を開ける。
それでも雨は容赦なく私の顔を打った。
どんなに痛くても、目を背けてはいけなかったんだ。
ちゃんと正面から、ぶつかるべきだったんだ……。