キズだらけのぼくらは


私の頬には生温かい涙が伝っていく。

心臓のあたりが熱くなっていく。

「ねえ、もう自分を苦しめるのはやめなよ。事故は、誰のせいでもない。それに、アンタは十分苦しんだ。海夏ちゃんだって、恨んでないよ……」

途中、何度か言葉がつまった。

でも、コイツに伝えたくて、声を絞った。

髪を、背中を撫で、私は涙を溢れさせながら静かに瞼を閉じる。

「ちがう、ちがう……。海夏は、俺のことを恨んでるに決まってる。きっと憎らしいくらいに嫌ってる。俺なんて死ねばよかったんだ」

彼の悲痛さに割れる金切り声が、耳に直接響いた。

まるで胸が割かれるように痛みが走る。

「私はっ、私は……アンタのことが好きだよ!」

私は彼から身を離し俯いて、大声でそう告げた。

言うつもりなんてなかったのに……。

大粒の涙がスカートの上にぼたりと落ちた。

そして、私は睨むように彼を見上げる。


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