キズだらけのぼくらは


全身に力をこめて、思いきり言い放った。

「はっ?」

秋穂は絶句したように、目を丸くする。

私は続けざまに言った。

「アンタは親友だったんでしょ? なのに、結愛のなにを見てきたの? 結愛は人がよすぎて、だから自分をひどく責める。アンタなんかよりもずっと心が綺麗な人間なんだから!」

「イカれてるアンタがよく言うわ! あの子はね、友達の好きな人を平気で横取りする女よ。知りもしないヤツがとやかく言わないで!」

まくしたてた秋穂は、机を激しく叩きつける。

そして勢いよく立ちあがり、恐ろしい目で私を睨みつけてきた。

「知らないのはどっち? 結愛はそんなことしてない。それにその男子が結愛に惚れたのも、アンタがそんな性格だからじゃないの!」

息を切らして言葉をぶちまけ、秋穂を睨み続けた。

でも、秋穂はみるみるうちに目をつりあげ息を荒くしていく。

「アンタね……、何様のつもりなの!?」

秋穂は強く私の肩を突っぱねた。


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