キズだらけのぼくらは
ぼくらの明日
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ふうと息をつき、右手で前髪をぺったりとおでこに貼りつける。
あの夜から数日がたった。
今は昼休み。
私は日差しがあたたかい窓際の席で、前髪を気にしながら、教室で頬杖をついている。
なんだか、あのサイトに引き込まれた日から少しずつ、周りの見え方が変わってきた気がするんだ。
相変わらず教室のまん中ではあの人が目立っている。
いつものように堂々と足を組んで髪をいじくっている秋穂。
でも、なぜだろう。
私は、たとえ皮肉でも一軍女子とは思えなくなっていた。
前と変わらずけばいメイクをしてオシャレをしているつもりなんだろうし、スタイルもいいんだろう。
なにかを大きい声でいえば、影響力もあったんだろう。
でも、彼女の周りにはくっつけられた机がひとつもない。
教室の中心で偉そうにぽつんと一人座っているだけ。
この間派手に喧嘩をしているのを見たけれど、そのたった一回の喧嘩で取り巻きは0人になったみたい。