キズだらけのぼくらは
私はソラのそんな言葉を目にして、思いきり眉をひそめた。
あのアキムが、そんなことをするわけない……。
私は居場所を奪われそうだっていうのに。
アキムのせいで私は、昨日からどんなに怯えていることか……。
それを思い出すだけでも怒りがこみあげてくる。
けれど、ブラックが私に初めて話しかけてきた。
【まだ知らないみたいだけど、ここは、心にキズを抱えている者同士が語り合う場所だ。アキムはそんな俺たちを、ここに集めてる】
キズを抱えている者?
なにそれ? これも、ふざけているの?
私をおとしめようとしている人間が善人で、そして三軍以下みたいな人間を救うためにここを管理している?
あり得ない嘘を並べるにもほどがある。
【あなたたちもアキムとグルっていうことですか。そんなに私をネットから追放したいわけ?】
部屋には、憎しみが込められたような強くキーをたたく音が響く。