キズだらけのぼくらは
胸に手を当てると、ホットココアを飲んだみたいに安心感のある温もりが広がっていく感覚がした。
でも、思い出すの。
『私たち仲間だからね!』
手を繋ぎ合って輪になった5人の女の子たちの笑顔が……。
私は立ち上がりながら、ノートパソコンをパタリと閉じた。
そして、照明のひもを乱暴に引っ張って明かりを消すと、そのままベッドにダイブした。
勢いと体重で体は強くベッドにたたきつけられ、部屋には鈍い音が響く。
なんで私はあんなことを暴露してしまったんだろう……。
それに、彼らはなんなんだろう……。
私の行き場のない手は、おもむろにシーツを撫でる。
眼前に迫るシーツのハート柄は、外から差し込む薄暗い月明りだけでは色の識別すらできなかった。
そんな明かりの下では、綺麗にも見えず黒っぽい色に見えるだけ。
そしてシーツの上に投げ出された私の腕は、もやしみたいに白く貧弱だった。