優しい爪先立ちのしかた
復讐じゃない。
清算だ。
ふと手を握られている感覚に、ぎょっとしてそちらを見れば、幼い男児。
「え、っと。迷子?」
「どうしてここにいるの?」
見た所小学生上がりたてくらいの容姿。
にしては、きちんとした口調で梢に問う。
どうして、ここに。言われて初めて、ここが何処なのか考えた。
心配したような瞳が見上げてくる。何故か手を振りほどこうとは思えない。
「ここ、どこですかね?」
栄生に話すように敬語になった。男児はきょとんとした後、片方の手で天を指した。
「僕の居場所で、君の居場所」