優しい爪先立ちのしかた















「あの人がお前の義理の姉だ」

まだ小学生にもならない義理の弟を連れて、嶺は顎で庭の水遣りをしていた栄生を示す。

窓にへばりつくようにそれを見て、大人しくシートに戻った。

「運動会の徒競走で一位になったご褒美、本当にこれで良いのか?」

ミラー越しに聞く。何も言わずにこくりと頷いた弟は、もう一度庭の方へ目を向ける。

「……シスコンは血なのかもな」

密かに笑った嶺が、シートに背中をつける。

フロントガラスの向こうの空が、青かった。









< 326 / 326 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:8

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

a Piece of Cake.
鯵哉/著

総文字数/34,617

恋愛(純愛)133ページ

マカロン文庫大賞2024エントリー中
表紙を見る
骨の髄まで
鯵哉/著

総文字数/22,449

恋愛(オフィスラブ)87ページ

表紙を見る
ダークチョコレート
鯵哉/著

総文字数/8,984

恋愛(オフィスラブ)35ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop