幻桜記妖姫奧乃伝ー花降る里で君と
結局、『ノリ』というものに押し流される形で百物語が始まろうとしていた。
篠宮は怯えているし、乙間先輩は怖い顔をしている。
藤川先輩もあまり良い気はしないようだ。
部員たちに、本当に降霊術を行う気などない。
ただ、夏の夜の気配と、『合宿』という言葉にあてられた。
それだけのことだ。
話の数は結局、一人2つずつで36。
他の細々とした決まりは全てほとんど省かれ、宿直室から誰かがくすねてきたお情けみたいな量の食塩があるばかり。
四方に置かれたケータイの液晶から漏れる光にはいっそ笑いだしてしまいたくなる。
なにが起こるはずもないと分かってはいるが、不安が拭えない。
「うっし、はじめるか」
中田先輩が音頭をとる。
武道場の蛍光灯が落とされた。
あとは、蝋燭代わりのケータイが光るばかり。
篠宮は怯えているし、乙間先輩は怖い顔をしている。
藤川先輩もあまり良い気はしないようだ。
部員たちに、本当に降霊術を行う気などない。
ただ、夏の夜の気配と、『合宿』という言葉にあてられた。
それだけのことだ。
話の数は結局、一人2つずつで36。
他の細々とした決まりは全てほとんど省かれ、宿直室から誰かがくすねてきたお情けみたいな量の食塩があるばかり。
四方に置かれたケータイの液晶から漏れる光にはいっそ笑いだしてしまいたくなる。
なにが起こるはずもないと分かってはいるが、不安が拭えない。
「うっし、はじめるか」
中田先輩が音頭をとる。
武道場の蛍光灯が落とされた。
あとは、蝋燭代わりのケータイが光るばかり。