あなたと私のカネアイ
「ま、円！　それは……っ」

　円の肩を押し返すけどあまり力が入ってないのは自分でもわかる。
　彼の息が肌を撫でる感覚はくすぐったいような身体への刺激と、恥ずかしいという感情がごちゃごちゃになって唇を噛みしめた。
　何も言わず、円の唇は時折私の肌を啄ばむように動いてブラと肌の境界線を辿っていく。指先はカップの下を何度か左右に行き来して……背中へと移動した。
　う、嘘……!?

「やっ！　み、見たらダメ！」

　プチッとホックが外されて大きく抵抗すると、円は私を引き寄せて耳元へと唇を戻した。

「わかった、見ないから……」
「え、あっ、ち、違……っ」

　直接触れられて思わず身体に力が入り、円の首にしがみつくような体勢になった。
　壊れ物に触れるが如く、丁寧に下から掬うように胸を揉まれる。そして親指が頂に触れたときにはビクッと大げさなほどに身体が跳ねてしまった。
　はっ、と息が漏れて身体に熱がこもる。円の指は胸の頂を撫でたり、時折引っかくようにしたり、絶え間なく動いている。

「結愛」
「んっ……」

　そんな掠れた声で呼ばれたら、おかしくなる。また変になる。
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