あなたと私のカネアイ
キス(1)
――結愛
ああ、うるさい!
――結愛
もう寝てって言ったのに!
「結愛、もう六時過ぎちゃったよ」
六時? まだギリギリ一時間寝れるじゃない。
「結愛。ほら、遅刻するよ。ここ、俺の実家。七時半前には出たいんだけど」
実家――その言葉にハッとして勢い良く身体を起こす。
そうだった、円の実家に泊めてもらったんだった。
「おはよ」
私を起こしていた円は、私の布団の隣に座ってにっこりと笑っている。すでに着替えていて髪の毛もきちんとセットされていた。
隣のリビングからは朝御飯のいい匂いが漏れてくる。
やばい!
サッと青ざめて携帯を確認すると、時間は六時十一分。アラームは……いつ止めたんだ、私。
慌てて枕元に用意しておいた洋服からカーディガンを引っ張って羽織り、部屋を出た。
「あ、結愛!」
なんだか円が私を呼び止めていたけど、そんなのに構っている場合じゃない。
手で寝癖がついているだろう髪を撫で付けながらダイニングを通る。そこで新聞を読んでいたお義父さんに勢い良く頭を下げて挨拶すると、彼は「おはよう」とにこやかに返してくれた。
ああ、うるさい!
――結愛
もう寝てって言ったのに!
「結愛、もう六時過ぎちゃったよ」
六時? まだギリギリ一時間寝れるじゃない。
「結愛。ほら、遅刻するよ。ここ、俺の実家。七時半前には出たいんだけど」
実家――その言葉にハッとして勢い良く身体を起こす。
そうだった、円の実家に泊めてもらったんだった。
「おはよ」
私を起こしていた円は、私の布団の隣に座ってにっこりと笑っている。すでに着替えていて髪の毛もきちんとセットされていた。
隣のリビングからは朝御飯のいい匂いが漏れてくる。
やばい!
サッと青ざめて携帯を確認すると、時間は六時十一分。アラームは……いつ止めたんだ、私。
慌てて枕元に用意しておいた洋服からカーディガンを引っ張って羽織り、部屋を出た。
「あ、結愛!」
なんだか円が私を呼び止めていたけど、そんなのに構っている場合じゃない。
手で寝癖がついているだろう髪を撫で付けながらダイニングを通る。そこで新聞を読んでいたお義父さんに勢い良く頭を下げて挨拶すると、彼は「おはよう」とにこやかに返してくれた。