あなたと私のカネアイ
何を考えてるんだろう。
この前、頬にキスをされてから少し変だ。酔っていたとはいえ、変なことを口走った自分が恥ずかしくて調子が狂う。
それに、円の顔をあんなに近くで見たのは初めてだった。異性にキスされたのも、幼稚園以来?
二十四にもなって頬にキスでドキドキしてバカみたいだけど、なんていうか、あの綺麗な唇に触れられたって思うと……
胸キュン?
って、私、すごく恥ずかしいこと考えてる!
違う、違う! ちょっと好みの唇に迫られただけ!
憧れの芸能人と握手したみたいなものだ。
何度も何度も心の中で「違う」と唱えながら、ひたすら右手と口を動かして食事を終える。空っぽになった自分の食器を重ねてキッチンに逃げ込んで、ようやくホッと息を吐いた。
だけど、スポンジを掴んで洗剤を垂らして泡立て、少し濯いだ食器を洗い始めたところで円もキッチンにやってきて、隣に立たれてしまい、頬に熱が集中する。
なんで、こんな……
「結愛さ、やっと俺のこと意識してくれてるんだ?」
「なっ! ち、違う!」
酔っててちょっと迂闊に好みの唇と接触しただけだ。
恋とか愛とかそういうキラキラした幻想とは違う。
この前、頬にキスをされてから少し変だ。酔っていたとはいえ、変なことを口走った自分が恥ずかしくて調子が狂う。
それに、円の顔をあんなに近くで見たのは初めてだった。異性にキスされたのも、幼稚園以来?
二十四にもなって頬にキスでドキドキしてバカみたいだけど、なんていうか、あの綺麗な唇に触れられたって思うと……
胸キュン?
って、私、すごく恥ずかしいこと考えてる!
違う、違う! ちょっと好みの唇に迫られただけ!
憧れの芸能人と握手したみたいなものだ。
何度も何度も心の中で「違う」と唱えながら、ひたすら右手と口を動かして食事を終える。空っぽになった自分の食器を重ねてキッチンに逃げ込んで、ようやくホッと息を吐いた。
だけど、スポンジを掴んで洗剤を垂らして泡立て、少し濯いだ食器を洗い始めたところで円もキッチンにやってきて、隣に立たれてしまい、頬に熱が集中する。
なんで、こんな……
「結愛さ、やっと俺のこと意識してくれてるんだ?」
「なっ! ち、違う!」
酔っててちょっと迂闊に好みの唇と接触しただけだ。
恋とか愛とかそういうキラキラした幻想とは違う。