空と虹の境界線
「私ね、長州藩の人間なの。諦めようとしたんだけどね。
やっぱり、無理だった」
「長州・・・永久さんが?」
信じられない。
驚きすぎて、言葉が声にならなかった。
ザワザワと、木々が風に揺れる。
とても切なそうな表情をしているのに――――
永久さんの目は、沈んでいない。
ただ、前を見て。
ただ、希望だけを見つめていて。
諦めない強さ、それが宿っていた。
「諦められるわけないじゃない?本当に好きだったのならね」
そう言って微笑んだ永久さん。