空と虹の境界線
その顔が、ぼんやりと滲んで見えなくなっていった。
「――――っ」
でも、不安だった。
何も分からなくなっていく、自分の気持ちが。
「でも・・・分からない」
ただ一つ、平助君のことだけは、分からない。
あの日のことは、夢だったんじゃないかって。
そう、今でも考えてしまうほど・・・
「諦めたくないけど・・・よく、分からない」
小さな声しか、出てこなかった。
ほとんど、独り言のような・・・そんな声。